ミャンマー人の食生活は、なんと日本人の5倍量の米食
ミャンマー人はかっての日本と同じように米食が中心です
1人当たりコメの消費量は日本の5倍相当(250kg)だそうです。米はインディカ米が中心です
食生活は米と油を使う伝統的料理
食生活は伝統的で、カレー(スパイスをパーム油で溶き、肉や野菜、川魚等を加えたもの)をよく食べます
味付けが濃いほうで比較的麺類をよく食べています
近年は、鍋料理(Hot Pot)も人気があります
魚類は川魚、エビ、カニ類が中心で海の魚や生ものはあまり食べません
中高年層は、牛肉を食べない傾向でしたが、若い人や富裕層は牛肉を近年食べる傾向になっていきています
成人病予防に、野菜・果実の消費を提唱
基本的に味が濃くて、油っぽくて、時にすごく辛くて、時にすごく甘い料理なのです
米をたくさん食べ、大量に油を使うミャンマーの食生活は、糖尿病になりそうな食事です
実際に糖尿病にかかる人も少なくありません。成人病も多く見られ、政府は野菜、果物の摂取を呼び掛けています
中間層以上では食の健康意識と共に、安全志向も高くなり、野菜・果実の消費が急速に高まっていると言われています
ミャンマーの食品小売市場は伝統的な市場で小売りが中心
ミャンマーでは、食料品は都市部のごく一部を除き、ウェットマーケットや個人商店などを通じた伝統的な小売が依然として商売の中心となっていいます
正確な数字ははっきりしませんが、近代小売はまだ1割にも満たないようです
ウェットマーケットでは、野菜、果物、肉、魚などの生鮮食品が販売されています
卸専門のマーケットや個人客が多くを占めるマーケットがあり、早朝より賑わっています
食材は新鮮で種類が多く値段も手頃なのですが、炎天下におかれた肉や魚の衛生面でのリスクや産地などが不確かで品質表示ができないといった問題があります
ウェットマーケット(公設市場又は伝統的市場とも呼ばれる)は、肉、魚、農産物、その他の消費志向の生鮮品などの生鮮食品をスーパーマーケット以外の場所で販売する市場
布地、台所用品、電子機器などの耐久消費財を販売する「ドライマーケット」と区別されるこれらには、ファーマーズマーケット、魚市場、野生動物市場など、さまざまな市場が含まれる。
すべてのウェットマーケットが生きた動物を販売しているわけではないが 、ウェットマーケットという用語は、香港で家禽類に対して行われているように、売り手が顧客の購入時に動物を屠殺する生きた動物の市場を指すために使用されることがある
ウェットマーケットは世界の多くの地域で一般的であり、特に中国、東南アジア、南アジアで一般的である
価格、食品の鮮度、社会的交流、および地域文化の要因により、ウェットマーケットは都市の食糧安全保障において重要な役割を果たすことが多い
『ウィキペディア』より
近代小売は大都市中心
近代小売と称されている中には、City Mart Holding(設立1996 年)や Creation Myanmar(同1994 年)などの地場資本の小売企業があり、スーパーマーケットやハイパーマーケットなど複数の小売形態の事業を行っています
ただし、出店先はヤンゴン、マンダレー、 ネピドーなどの大都市に限られています
加工食品はタイなどからの輸入品を中心に
CityMartでは、加工食品はタイなどからの輸入品を中心に販売しており、8割が輸入品で占められています
また農産品については国内の産地から直接調達も行っています
なお飲料など多数の加工食品がタイなど隣国より非正規に入ってきており、CityMart もそのような商品を取り扱っているようです
外国企業としては、2016年にイオンも参加
外国企業としては、2016年にイオンが Creation社と合弁して「イオンオレンジミャンマー」を設立し、スーパーマーケット事業を開始しました
同社はアジア統括拠点のあるマレーシアやタイから、イオンブランドの「トップバリュ」(例: カレーのルーや調味料)の製品を陸路で輸入し、販売しています
なお、現状では外国企業は貿易業務への従事が事実上認められていないため、 外資が直接輸入販売を行うことはできません。
登場してきたコンビニは、24 時間オープンしているコンビニエンスストア(CVS)も近年増加してきています
City Express(店舗数:56)、ABC convenience store(店舗数:70 超)、Grab&Go( 店舗数:100 超)、Union Mart などです
飲料、スナック菓子といった加工食品やシャンプーなどの日用品等を中心に取り扱っています
なお、現在も外資規制や国内紛争のため大手の外資CVSはまだ進出を躊躇しているようですね
日本食文化がミャンマーでも拡大
急増する日本人に増える日本食レストラン
日本食レストランが今や単なるブームから、世界的な食文化として定着した日本食文化がここミャンマーでも広まり始めています
急増する日本人にヤンゴンには日本食レストランを増え、約100店あります
中でも老舗の日本食レストランのFURUSATO」が日本人社会では根強い人気があります
日本食顧客や日本食を好む中間層で賑わうホテルレストラン
日本食の顧客は、在留邦人や出張・長期滞在邦人(ヤンゴン空港利用日本人は、約7,000人/月)、当地富裕層や欧米等の長期滞在者です
主な消費の場所は、日本食レストラン(総数 約100店)、ホテル等が殆どです
特にヤンゴンでは、ホワイトカラー層の所得が向上するにつれ日本食を好む中間層が現れ始めています
日本食のなかで最も人気があるのは寿司
日本食のなかで最も人気があるのは寿司で、店舗も日系やシンガポール系などの外資系が進出しており、日本帰りのミャンマー人が店を開くケースも多くなってきました
事例としては、イオンが現地のOrange Groupと合弁でAeon Orangeをヤンゴン市内に11店舗、マンダレー市内に3店舗展開しています
ミャンマーの食品輸出入!野菜や果物を輸出し、 乳製品等を輸入
ミャンマーの食品輸出入状況を見ますと、野菜、果物や魚介類が輸出超過となる一方、乳製品、 鳥卵や飲料、穀物などが輸入超過となっています
国内で生産された未加工の農水産物が輸出される一方、国内でニーズはありますが製造量が少ない乳製品(牛乳やチーズ)や飲料等は輸入しています
日本からの食品はタイ、シンガポール経由で輸入
日本食材の多くが、タイ、シンガポール経由で輸入されています
日本とのコンテナ航路はシンガポール経由。航空便は週7便あり、航空輸送時間は約8時間。
ただコールドチェーンが整備されていないのが課題となっています
食品加工企業の製造・流通、加工食品工業が拡大するミャンマー
ミャンマーでは、経済成長に伴う所得水準の高まりやライフスタイルの変化から、 タイなどの近隣国と同様に加工食品の消費が拡大すると考えられていますが、国内の食品加工業はまだこれからといった状況です
それは欧米による経済制裁措置が長く続き、外国資本による投資や技術導入が進んでいなかった点が挙げられます
現状、外国資本の食品加工メーカーはまだ非常に少ないのです
望まれる加工技術
食品加工業(飲料含む)は、企業数でみると製造業全体の6割強を占めていますが、その9割以上が中小零細企業なのです
しかも企業の加工技術は低く、大半が精米、製油(ピーナッツ油、ゴマ油等)、製粉(小麦粉等)、製糖など農産物の一次加工なのです
製造も機械化が進んでおらず、加工から包装まで大部分を手作業で行う労働集約型の事業が多いのです
日本企業進出と現地生産の加工食品の急速な流通
加工食品として代表なものはコンデンスミルクなどの乳製品、ビスケットや飴などの菓子類、インスタント麺などの乾燥食品等ですが、加工食品の製造・販売は、工場で衛生・品質管理が求められますが、輸出を志向しISOやHACCPなどの国際認証を取得している企業はまだ少ないようです
そのような中、経済措置が解除され、外国企業による食品加工業の投資は少しずつ進み始めています
例えば日系企業では、アサヒグループホールディングスが2014年に地場のロイヘイン社と炭酸飲料を製造・販売する合弁会社を設立しています
キリンホールディ ングスは2015年に「ミャンマービール」を生産する地場のミャンマー・ブルワリー社を買収し、2017年には「マンダレービール」を生産するマンダレー・ブルワリー社を買収すると発表しました
またエースコックやヤクルトも現地法人を設立し、生産工場を建設すると発表していているように、今後は、外国企業による現地生産の加工食品の流通が急速に増えてくるでしょう
この記事のあと、現在の国内紛争が勃発し、現在も混沌と続いています
発展は基より、停滞から低迷し続けているのが現状のようです
早期の解決が望まれるところです
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