ミャンマー女性に異変!!尼になる女性が増えている。

国民の9割が仏教徒だけと!出家が認められないミャンマー女性に?

急速に経済発展が進む中で尼になる女性が増えているというのです。
ミャンマーでは、尼さんは正式な出家者として認められないのになぜ彼女たちは出家するのでしょうか。

仏教国ならではの価値観を持つミャンマーの人たちですが、一重に信仰心が厚いだけとばかりはいえないようです。

貧しい地方の村々から学校に行けない女の子たちが尼寺に続々とやって来ることを見ても、そこには都市と地方の格差が広がっていることが背景にあるようです。

民政移管から教育にも格差の影響が広がっている!!

元来、ミャンマーはアジアの中でも学力は高い方で、若者の識字率は2015年時点で96%なのです。そんなミャンマーですが、農村地域には経済的困難を理由に小学校に入学できない子供や、中学校へ進学できない子どもがまだ多く存在し、中退問題が相当深刻化しているのです。

小学校までが義務教育であるため、小学校へのアクセスは96%に達しているのですが、ドロップアウト率が25%なのです。こうした児童の中退率の高さの課題をみると、初等教育の最終学年である第5学年まで到達するのは全体の70%であり、約 3割の児童が小学校を中途退学しているようです。

中途退学には様々な要因がありますが、本来は6歳から学校に通うのですが、お金がないから入学が遅れたという子供も多いように、世帯の貧困問題や親の季節労働と並んで、子どもの数の増加に伴い、子どもたちの不登校や中退の誘因となることも懸念されています。

自宅から学校へ通う子供達

かつてはアジア最先端を走っていたミャンマーの教育制度も、軍事政権下でミャンマーは1988年から続いた軍事政権によって崩壊してしまい、教育や保健を含む国民生活の改善がなおざりにされていました。結果、初等教育の純就学率は減少し、小学校の中退率は増加しました。最新のデータでは、就学率は初等教育では 9 割を超えていますが、中退率が高いため、中等教育では 5割前後に下がっているようです。

たしかに5歳に達したすべての児童は小学校に入学する権利が認められ、授業料は無料とされていているのですが、年に3ドルほどの教科書やノート、 制服は親の負担です。

これらの費用が負担できない親は、子どもを学校に通わせることが難しいのです。 こうしたさまざまな理由から公教育から弾き出されている子どもたちがまだ多く存在するのですね。

インターナショナルスクールの子供達は制服も揃えて学んでいる

ミャンマーの学校教育を見てみますと、大きく3つのコースに別れています。「インターナショナルスクール」「僧院付属学校」「公的教育機関」ですね。ミャンマーのほとんどの子供たちは公的教育機関で教育を受けます。小学校(5年)・中学校(4年)・高校(2年)=11年制の教育機関です。

このうち尼になる女性が増えている要因の一つといえる「僧院付属学校」を見てみると、古くから地域社会に根差し、無償で子供たちに学ぶ機会を提供してきた僧院学校は全国各地に点在して、それの持つ役割は非常に大きいのです。
国民の約9割が上座部仏教を信仰し、男性は一生に一度、出家するのが習慣という敬虔な仏教国では、一般的な公教育とは別に、宗教省が管轄する僧院学校という仕組みがあるのです。

僧院学校の歴史は古く、王朝時代にまで遡るといわれ、日本やタイ等の寺子屋教育の伝統に似ているといわれています。
識字率で世界平均約85%と比較しミャンマーの識字率が90%以上と高いのは寺子屋教育が根付いているためといわれています。

ここでは僧侶たちが、僧院付属の小学校等を運営するもので、教育省も承認しているのです。
カリキュラムも暗記主義の知識偏重型の教育が多いために、仏教を中心とした倫理・道徳教育にも力を入れるようです。

世界各国からの支援がミャンマーを支えている

僧院学校ではミャンマーは仏教国でもあることから、一般的に親は僧侶に協力的であり、親子とも僧侶に対し尊敬の念を持って接しています。過去、日本もそうでしたが!!(笑)

寺子屋の生徒の中には、仏教徒の生徒以外に異教徒であるキリスト教徒やイスラム教徒もいるのです。さすが微笑みの国ですね。

僧院学校は、僧院長たる僧侶が寄付金等で経営をしているのですが、世界レベルの寄付文化で成り立っています。
ミャンマーの子どもたちの教育支援を続ける日本も僧院学校への寄付を行っています。

マンダレー サンチャ僧院付属小学校は、校舎がなく僧院施設を利用して教育を行っていたのですが、平成25年度、日本政府の草の根・無償資金協力で、「マンダレー地域ミンジャン地区サンチャ僧院付属小学校建設計画」によって校舎を建設されました。建設から5年以上経った現在でも校舎が大切に使用されています。僧侶さん達からは、児童生徒が集中して勉強に励むことができるようになったと感謝されています。

日本政府も積極的に支援活動!!

このようにミャンマーの村落での教育支援にも積極的に日本は関わっています。例えば「コミッティ・アプローチ」による学校舎建設プロジェクトです。
このプロジェクトは学校舎建設を次のような手順で進めています。まず村人互選の10人程のコミッティ(委員会)を作る。(このコミッティが大工の選定から、工期管理、会計など建設事業の全てを担う)野菜の供託などを行って、総工費の15%を村人が捻出する。基礎工事に村人全員が参加し建設費を節約する。
日本でご寄付や助成金、自主事業などで資金を調達する。学校舎や寮の完成後は「コミッティ」が運営と先生の生活の面倒見る等です。

このように村に組織された「コミッティ」を中心に村全体が協力して学校を建設して、運営を行っていくことによって、学校建設後に自立的に村落の開発に携わっていき、経済発展にもつながっていくというものです。すでにパオ族によって展開されています。

そんな僧院学校の一つ、日本人も建設を支援したミャンマー中部ピィの郊外にあるジィンジャンタウン僧院の付属学校では、子どもたちの足元をみると、約半分がはだしです。制服を着る子どもたちは、4分の1に満ちません。地域の貧しさが子どもたちの服装に現れています。

この地域には以前から公立の小学校はありません。
僧院の僧侶が子どもたちに勉強を教え始め、それが契機となって地域の信者である村人等が中心となって資金を出し合い、1999年に僧院学校が創設されたのです。現在、小学生から中学生まで752人が学んでいるそうです。ピィで最大規模の僧院学校だというこの学校は、教師は22人で大半が女性です。敷地内と教室は、どの教室も整然として、床はピカピカに磨き上げられ、校庭にはゴミ一つ落ちていません。子どもたちと毎日、一緒に掃除をしているからです。

また、ミャンマーの僧院学校には生徒が1,000~2,000人で教師も数十人と“スーパー寺子屋”もあります。ミャンマー・ヤンゴン市内のクーラーマ・マーラ僧院学校へ行きますと、一つの教室に50人以上の子どもたちがひしめき、大きな声で教科書を読み上げる声が響き渡っています。

一見通常の公立小学校と変わらない光景ですが、ここには民族・宗教の壁を超えて孤児や貧困層の約400人の子どもたちが集まっています。

出家する子供達の年齢や部族もさまざま

シャン州の内戦に伴う国内避難民の子ども、ラカイン族、ムスリムと多様です。仏の道に従って、困っている人たちに手を差し伸べる。それが異民族・異教徒であることは関係ないとはいかにもミャンマーらしいですね。

また僧侶が2009年に身寄りのない子ども9人を預かり、集まった浄財を活用して2000年に僧院を立ち上げ、孤児院兼学校であるこの施設を開校し、現在はボランティアを含む10人の教員、経営に携わる弟子の僧侶たち、多くの寄付者に支えられ400人規模の生徒を迎え、そのうちおよそ250人は孤児、残りが貧困のため公立学校に通えない子どもたちです。

それぞれに困難を抱えて親らに連れられてやってきたのです。中にはシャン語が母語であるため、ビルマ語の授業についていくのに苦労する生徒もいます。現場の教員は教科を教えるだけでなく、それぞれの事情で心に傷を負って入校してくる子どもたち一人ひとりに目を配り、不安を取り除くことも重要な役割を果たしている僧院学校もあります。

ミャンマーでは公教育が必ずしもすべての子どもたちを受け入れる場になりえていないそんな中、僧院学校はミャンマー社会にとって、困難な状況にある子どもたちにも教育を提供できる最後の砦のような存在になっているのです。

ミャンマーの僧院(尼僧院)付属学校は、必要な机や椅子、ノートやペンなどの必要な環境が整っておらず、子どもたちが快適に勉強することができないでいます。こんな劣悪な環境で勉強している恵まれない子どもたちに日本からも文房具と机・椅子を届けています。このように付属学校の設備は劣悪で安心・安全ではありませんが、就学希望者が大勢で入学を断る付属学校もあり、村や町に付属学校にも行けない子ども達で溢れています。

僧院学校にはボランティア教師による日本語教室もあるのです。しかし、民間の日本語学校のように学習者からの授業料の徴収はなく、寄付やボランティアの支援によって成り立っているため、日本語を学習するための環境としては不安定であると考えられ、僧院における日本語教育の現状と課題を把握し、貢献の仕方について対策が検討されています。ぜひ皆さんもお考え下さい。

僧院では、教師が少なく子供たちへの教育も十分とは言えません。寺子屋で教える先生方は僧侶が中心で一般の方も教えていますが、給料はほとんどないかボランティアで無給です。また、僧院に通う生徒で大学まで進学する生徒はほとんどいないようです。
貧しいため進学ができなかったり、高等教育を受けることにより職業の選択が増えることなどを知らない、つまり知識がなかったりするためです。

例えば、僧院で将来何になりたいかと子供たちに質問すると、医者か学校の先生という生徒がほとんどです。それは、他にいろいろな職業があるということを知らない、つまり情報が不足しているからです。様々な情報を子供たちに伝えることが将来への夢や希望を抱けるようになるためにとても大切なことです。

僧院では、栄養不足の生徒たちを多くみかけます。そのような生徒たちの栄養不足を補うためにも、さらに多くの貧しい子供たちが通えるようになるためにも、給食制度の導入が期待されていますが、多くの僧院学校で難しいのが現状です。というのも、教室の多くは、壁のない教室で、学校としての設備が不足しており衛生面でも給食を支給するには難しいからです。僧院学校の運営は僧侶がお布施や寄付金を集めて運営しているので寺子屋の維持だけでもままならないのです。

ミャンマー国内にはこうした僧院が運営する学校がまだまだ沢山あり、公立学校の補完の役割をしています。 僧院学校は政府から補助金も受けて公立学校と同じ授業内容、授業時間で公立学校と同等の資格も得られます。

出家する子供には笑顔が絶えない!

さて、冒頭に申しました出家を望む女の子に「なぜ出家生活を送っているのですか」「なぜ尼さんになりたいの」と聞くと「幸せそうだから」「両親の功徳になるから」と仏教国ならではの価値観を持つミャンマーの人たちの答えが返ってきます。

ミャンマーにおける仏教徒女性の出家生活とはいかなるものなのでしょうか。
ミャンマー最大級のマハーガンダーヨン僧院なども訪ねてみると、ミャンマーでは女性も短期的ではありますが、尼僧体験をする風習があります。

巨大尼僧院アチェンガル・ゴンパ ザガイン (中国四川省西部:東チベット) は、14世紀に20年ほど都がおかれた町ですが現在は町はずれにあるザガインヒルと呼ばれる丘に僧院、尼僧院などが点在する修行の町としても知られています。

ここでは、ミャンマーの女性修行者ティラシンを始めとする、上座部仏教各国で現在見かける剃髪した女性修行者たちが、尼として僧院で暮らす人達も多いのですが、女性の場合は、出家とはみなされず、正式には在家信者の扱いとなっています。

皆さんもぜひ訪れてみてください。「ミンガラバー」(ミャンマー語で「こんにち」)と、顔には、ミャンマーの伝統的な顔料の白いタナカを塗っている大勢の子どもたちが両手を胸の前で合わせながら、元気なミャンマー式のあいさつで迎えてくれますよ。おもわず微笑んでしまう事でしょう。

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コメント

    • 塚本敏春
    • 2020年 7月 27日

    本年は、コロナのことで、ミャンマー国バゴー市に、行けません

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