ミャンマーで病気!これで安心。旅先・留学・長期滞在の必須!!緊急時の医療・病院ガイド!!

ミャンマーで病気!これで安心。旅先・留学・長期滞在の必須!緊急時の医療・病院ガイド!!

この数年、高度な経済発展を見せているミャンマーですが、先進国に比べ医療整備の遅れは追いついていないのが現状のようです。
最近では、官民の協力体制も積極的に動きだし医療に対しても徐々に変わりつつあります。また、政府も医療体制の整備と医療サービスの充実を急務の課題として着手するようになりました。

今回は、日本人が渡航、赴任するにあたり、最低限のミャンマー医療についてご紹介します。

◆ 目 次  

1.ミャンマーの医療・病院事情
2.日本人が受けられる(緊急時)医療・病院
3.ミャンマーで予想される日本人の疾病と症状
4.ミャンマー国内の医療・病院の実情
5.ミャンマーの国民的な疾患とは
6.ミャンマーの医療は変わりつつある

1.ミャンマーの医療・病院事情

ミャンマーの旅先・留学・長期滞在や赴任する場合、やはり大きく懸念される一つに、医療・病院に関する問題です。以前はミャンマーの事故や病気の治療は、日本とは違い容易でなかったですが、最近、医療機関の進出や医療機械の導入により、ようやく医療技術サービスが少しずつ改善されてきています。

緊急時の総合病院やクリニックなど開業を通じて整備されてきています。隣国のタイやその他の先進国に比べミャンマーの医療機関は、まだ数十年遅れている状況です。つい最近ですが、タイの支援により総合病院も開設されました。

現在も医療機器のインフラや医師数もまだまだ不足している状態ですが、ここ数年、新しい医療機器の導入や外国人医師を招致による私立病院も開設、徐々であるが、日常生活レベルの疾患や怪我ついては安心して受診できる病院も増えてきているようです。


↑YANGON GENERAL HOSPITAL:公立ヤンゴン総合病院

2.日本人が受けられる(緊急時)医療・病院

《ヤンゴンの公立病院》

① YANGON GENERAL HOSPITAL(ヤンゴン総合病院)
住所:Bogyoke Aung San St.,Latha T/S., Yangon.
電話:281722、289908、280440~442.
1400床、医師数約200名、看護婦数約400名。
ミャンマーの最大の総合病院。 産婦人科、小児科、眼科及び耳鼻科以外の全科診療。CT有り。

② NEW YANGON GENERAL HOSPITAL(新ヤンゴン総合病院)
外来は週2日のみ。CT、MRI有り。日本の援助で建てられた病院。
住所:Corner of Bogyoke AungSan St. & Pyay Rd., Dagon T/S.
220床、内科、外科、泌尿器科の3科。医師数約40名、看護婦数約80名。
電話:283022、283097~8、01-384493 

③ CENTRAL WOMEN HOSPITAL(中央女子病院)
住所:Min Ye Kyaw Swar St.,Lanmadaw T/S.
電話:01-222804~6、222811
約800床。医師数約60名、看護婦数約150名。年間の分娩、手術は共に約12,000件。

④ YANGON CHILDREN HOSPITAL(ヤンゴン小児病院)
住所:2, Pyihtaungsu YeikthaSt., Dagon T/S.
電話:222807、222808、222810、221421
約550床。医師数約50名、看護婦数約130名。

⑤ EENT HOSPITAL(眼耳鼻科病院)
住所:30, Nat Mauk St., TarmweT/S.
電話:553957、553956
約150床。医師数約55名、看護婦数約40名。

外傷の場合は、ヤンゴン総合病院
新ヤンゴン総合病院はヤンゴン総合病院の分院的な存在。
年間無休、24時間受診可能。

以上の公立病院は、通常、日本人が公立病院を受診することは殆どなく緊急時は私立病院の利用が大半、大病や長期入院時は、やはり自国となる。

《ヤンゴンの私立病院》日本人が多く利用している病院

パラミー病院

1.ParamiGeneral Hospital(パラミー病院)

小児専門病院として開院、現在は総合病院となったが、引き続き小児科が有名。大人も子供もミャンマー人医師が24時間英語で対応。※日本語応対はない。私立総合病院として、2010年2月に開業
住所:No.60.G-1,New ParamiRoad,Mayangone Township,Yangon
TEL: 01-657228~32
診療科目:全科
診療時間:24時間、病床数:65床
緊急外来のIES(International Emergency Servise)24時間、診療受付可能。

 

2. サミティベートパラミークリニック(パラミー病院11階)

パラミー病院の中(11階)にあるクリニック。生活習慣病や泌尿器科、婦人科など、専門的な分野に対応。医療受診サービス会社の日本語デスク(ブルーアシスタンス)も常駐。
住所:11floor,No.60/G-1,NewParami Road,Mayangone Township,Yangon
TEL: TEL: 01-657228~32

サクラ・メディカル・センター

 

3. SAKURA MEDICAL CENTER:サクラ・メディカル・センター(Sakura Hospital)

全科を診療する私立の総合病院。床数200、歯科も併設。病院名のSAKURAは日本の桜の花に由来。常勤、非常勤併せた医師数は40名以上。年間無休、24時間体制。循環器センター設立とCT導入。
住所: 23 Shin Saw Pu Rd., HomeLane Block, Sanchang T/S.
TEL:01-513886、247293、510079、513887 FAX:510131



レオメディケア

4. Leo Medicare(Victoria Hospital)レオメディケア

クリニック自体はVictoria Hospital内ある。日本人医師が常駐。24時間シフトの専門医:Victoria Hospitalで一部対応可、日本語応対は9:00-17:30(水・日・祝以外)診療時間外は要予約。日本人医師は要予約。ミャンマー人医師は24時間英語対応。
住所:No.68,TawwinRoad,9Mile,Mayangone Township, Yangon
TEL: 01-651238, 09-49585955
設立:2011年6月:診療科目:全科
診療時間:午前8時~午後8時、病床数:100床
※保険診療 :損保ジャパン日本興亜, 三井住友海上火災保険, AIU保険



BAHOSI

5.BAHOSI MEDICAL CENTER

全科を診療する私立病院。常勤医13名の他、非常勤の専門医が勤務。
住所:No. B(31-36), Bahosi Housing Complex, Wardan St.,Lanmadaw T/S.
TEL:01-23023631、01-224301、01-224548、01-224667
床数90床、年間無休、24時間体制。



SOSクリニック:インヤレイクホテル内

6. MyanmarInternational SOS clinic(SOSクリニック)

インヤレイクホテル内にあるクリニック。総合内科の日本人医師が常駐、事前に要TEL、海外搬送の経験が豊富。日本語応対は午前10:00~午後14:00(週末以外)世界的ネットワークのクリニック※24時間シフトだが専門医の常駐はない。
◎キャッシュレス診療
東京海上日動火災保険, 三井住友海上火災保険, 損保ジャパン日本興亜, 日新火災海上保険
住所:Inya Lake Hotel,37 KabaAye Pagoda Road,Yangon
TEL:01-657922, 01-667879



AsiaRoyal Hospital

7. Asia Royal Hospital

夜中でも緊急外来患者が多くスタッフも多い。ミャンマーで最もメジャーな私立総合病院。
ミャンマー人医師が24時間英語で対応。日本語応対なし、
住所:No. 14, Baho Street,Sanchaung Township, Yangon
TEL:01-538055,01-2304999



アジア・パシフィック・メディカル・センター

8. ASIAPACIFIC CENTER MEDICAL & DENTAL CARE(PMC):アジア・パシフィック・メディカル・センター

シンガポール資本の民間クリニック、外来診療のみ。GP3人。予防接種可。日本で研修した日本語を話す歯科医が勤務している。受診者の大部分が外国人。
住所:81、Kaba Aye Pagoda Rd.  地図/Asia Pacific Centrefor Medical Care
TEL: 01- 553783、548022 FAX:542979

《ヤンゴン以外の病院》
1. MANDALAY GENERAL HOSPITAL(マンダレー)
2. NYAUNG OO PEOPLE’S HOSPITAL(バカン)
3. THAUNGYI SAI SAN HTUN HOSPITAL(インレー/タウンジー)

3.ミャンマーで予想される日本人の疾病と症状

在ミャンマー日本国大使館~健康医療情報より詳細は、http://www.mm.emb-japan.go.jp/profile/japanese/medical.html

1). 経口感染症
多くは、病原性大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター菌、腸炎ビブリオ菌、コレラ菌、赤痢菌、ノロウイルス、アメーバ赤痢などが原因。
その他、汚染されたプールなどの水泳、アイスクリーム、露店で売られている飲料にも注意が必要。旅行での疲労、暴飲暴食、慣れない食べ物が原因で起こる下痢症状。

2). 虫刺症(ちゅうししょう/ダニ、ノミ、トコジラミ、アリなどによる虫刺咬症) 
高温多湿の気候はダニなどが生息しやすい環境。バスや鉄道、飲食店の椅子などに潜んでいることも多々ある。

3). 各種寄生虫症
経口感染する以外に、経皮的に感染し広くアジア諸国に存在。

4). デング熱・チクングニア熱
雨期の5月~10月頃のヤンゴン市内で流行。
毎年邦人の感染例も少なくない。昼間に活動するネッタイシマカに刺されないように配慮することが必要。デング熱は、発熱・頭痛・筋肉痛・皮膚の発疹といった症状が見られ、一部は重症化し、血小板の低下、時にデング出血熱に移行して死亡する人もいる。チクングニア熱は発熱と関節痛が起き、筋肉痛、リンパ節腫脹などが見られることもある。デング熱・チクングニア熱には直接有効な治療薬は存在せず、安静と対症療法を行うことになる。防蚊対策は重要。

5) .マラリア・日本脳炎など
ヤンゴンやマンダレーの都市部で感染することはほとんどない。
マラリアはタイプによっては死亡することも少なくない疾患。マラリア流行地域に滞在後、悪寒・高熱・震え・熱発作などが見られた場合、マラリアの可能性も含めて医師に判断を仰ぐこと。
症状は突然の高熱、頭痛、嘔吐(おうと)や意識障害。日本脳炎は発症した場合、その20~40%が死に至る。流行地域を訪れる場合は予防接種をした方が良い。

6) .有毒動物咬刺症傷
毒蛇やムカデなどの有毒動物が生息しているので、屋外の庭などの物陰は注意する必要がある。万が一受傷した場合には、速やかに病院を受診。

7). 交通事故
道路全般的に悪路が多く、運転が荒い車も多く常に交通事故の注意が必要。
交通事故の証明書類は、政府系の病院で発行してもらう必要(ヤンゴンではヤンゴン総合病院)

8) .性・血液感染症
エイズ、B型・C型肝炎。行動には十分注意が必要。

9). 熱中症
暑期の3~4月は極端に高温になるため、日中は、炎天下での行動は避け、常に水分補給をすることが大切。スポーツドリンクなどでの塩分の補給が有効。

10). インフルエンザ
ミャンマーでは季節性インフルエンザは雨期に流行。例年おおむね7~8月ごろが流行のピーク。事前の予防接種(南半球対応用)は5~6月初旬頃までに終えておく事。乾期の10~2月にも発生が見られるので要注意。病院で予防接種を受けることが可能。

11) .狂犬病
野生動物は、狂犬病に罹患(りかん)している可能性があるため、犬に限らず野生動物と接触し感染の恐れがある場合には、速やかに医療機関を受診して適切な処置を受けること。狂犬病は発症するとほぼ100%死亡する疾患。
犬などにかまれた場合、必ず当日中に病院を受診し、ワクチンの接種が必要。

 

4.ミャンマー国内の医療・病院の実情

◆医療施設は公立病院が主体で、各管区、州の中心都市には総合病院がある。

各地域の基幹病院としての役割を担い、地方都市には人口規模に応じた公立病院が設置されている。各施設での、医療機器、器材の不足や老朽化は深刻。医療環境整備を妨げる大きな要因となっている。
基本的に無料だった医療費に1994年から薬剤費用の自己負担制度が導入された。その後負担の範囲が拡大され、検査、手術などの患者負担は一般的になり、診察料、室料なども徐々に有料化が進行しつつある。
必要な薬品は、病院に併設された薬局又は街中で購入することになるが、基本的に、処方箋なしで、麻薬、向精神薬以外の全ての薬剤が購入可能。
保管状況に懸念が残るが、偽薬が問題になることは少ない。一般的に薬剤は非常に廉価であるが、入手可能な製品の種類は限られる。

◆全国の病院総数は約700.総ベッド数は約30,000、人口1万人あたりでは6床。
補完に対して、現在、都市部を中心として民間病院の設立が増加。
医師数は人口10万対30人、歯科医師数は人口10万対2人と絶対的不足。
医療関係者の都市部への集中傾向ため、特に地方での医療環境がより厳しい。

《因みに都市部と地方の平均寿命は以下》1994年:統計より 
男性:都市部60.2歳、地方59.7歳
女性:都市部64.1歳、地方61.8歳

全国で4校の医科大学(うち3校はヤンゴン)、毎年誕生する医師総数は600人。
医学教育は英語で行われるため全ての医師が英語。医師以外の場合、病院内でもしばしば英語での意思疎通に不便が生じている。
公立病院の給料は極めて低額なため、医師はいくつかの医療機関で掛持ち診療することが多い。他への転職、外国へ流出する医師も少なくない。

◆ミャンマーの看護婦の数は、医師総数よりも少ない。
看護婦養成機関が十分に整備されていないことが主因と考えられる。
看護婦の他に助産婦がいるが、ミャンマーの助産婦という職種には但し書きが必要である。
看護学校は日本と同じく3年制であるが、助産婦学校の場合、全ての過程が1年半で終了してしまう。卒業後は、医師もいないような辺境地域でのあらゆる保健相談に応じることが助産婦の主な業務。
病院の検査施設、医療機器が不足しているために需要が少ないことも一因であろうが、パラメディカルスタッフは少ない。パラメディカルスタッフの養成機関は全国で1カ所しかなく、レントゲン技師、検査技師、理学療法士の3部門各々の定員は、1学年わずか25人に過ぎない。薬剤師の養成機関もやはり1カ所のみで、1学年の定員は50人である。

◆邦人の90%以上はヤンゴンに存在しているので、ヤンゴンの医療状況がそのままミャンマー在留邦人の医療環境と考えてよい。
邦人疾病対策の基本として、分娩、手術、要精査の患者には、可能な限り出国して治療を受けることを勧めている。
歯科治療は、日本出発前に終わらせておくのが原則と考えるが、簡単な治療であれば当地でも可能。

◆当地の輸血用血液はHIV検査を行う建て前だが、検査器材の不足等により確実になされていない、また、C型肝炎の検査は全く行われていない。このような事情から、当地における輸血は、万止むを得ない場合を除き避けることを基本方針としている。
ヤンゴンに於いても、通信、連絡事情は良好とは言えず、緊急事態でも、しばしば連絡に長時間を要する。一部の病院では救急車を所有しているが、搭載している医療器材も極少ない。

緊急の際には、身近な車で、直接病院に駆け込むのが最も早く確実である。

5.ミャンマーの国民的な疾患とは

【ミャンマー国内の考えられる疾病状況】

保健省が「国民健康計画」を実施中のその指針の一つとして、重点的に取り組むべき39疾患を取り上げている。ミャンマーが直面している疫病状況を表しているものとなる。
日本人と重複する疾病が一部ある。

①マラリア:ミャンマーでの最重要疾患。首都ヤンゴン、第2の都市マンダレー市内を除けば、全土がマラリア危険地帯。全国の病院患者総数の1/6、死亡者総数の1/5をマラリア患者が占める。マラリア患者の死亡率は3.4%。マラリアの種類は熱帯熱マラリアが80~85%、三日熱マラリアが15%程度、四日熱マラリアが1%以下という比率。防蚊対策が基本であるが、予防薬としては、主にメフロキンが使用される。

②結核:近年患者数の増加傾向が見られ、HIVとの関連でも重要視されている。結核罹患者発見のための組織的対策が殆どなされていない、治療を開始しても経済的理由による中断者が多い、等の現状を見れば、一部を除き野放し状態に近いと考えられる。
在留邦人は使用人を雇うことが多いが、雇用時の要注意疾患。

③エイズ:ミャンマーで初めてHIV感染者が確認されたのは1988年。以降、静注薬物使用者を主体にHIV感染は拡大して来た。しかし、1995年には異性間の性交渉がエイズ感染原因の第1位になり、並行して、性産業従事女性間でのHIV感染率は急速に上昇し、1996年には20%を越えた。ミャンマーのエイズ患者総数は1997年で約1800名とされているが、これは氷山の一角に過ぎないものと推察される。当国政府機関は、ミャンマー全土で約45万人のHIV感染者がいるものと推定している。

④下痢、赤痢:特に小児の間では深刻な疾患で、衛生知識の普及とORS(経口補液剤)主体の対策が図られて居る。コレラも発生しているが、通常下痢性疾患として包括されてしまって、原因菌の検索はなされていないのが実情。(コレラは単独で⑯にリストアップされている。)また、当地で赤痢と言った場合、通常アメーバ赤痢を意味する。
安全な水の供給率は、都市部で49%、地方で44%(1995年)とされているが、当方で行った邦人家庭の水質検査によると、大腸菌群が検出されない水は極めて少数であり、水道水、井戸水に拘わらず、各家庭の蛇口から出る水は汚染されているものと考えた方がよい。

⑤栄養失調:低体重出生児が多く、特に小児の間では、蛋白質、ヨード、ビタミンA等の不足がしばしば問題となる。当地の妊婦に対しては、一律に鉄剤と葉酸を投与するのが一般的である。
以下、⑥性病、⑦薬物乱用(ご存じ黄金三角地帯)、⑧ハンセン病、⑨流産(当国では基本的に人工流産は違法なため、稚拙な技術、劣悪な施設環境に起因する人工流産の合併症も多い。)⑩貧血、と続くが、その他のいくつかの疾患について説明を加える。

⑪蛇咬傷:ヤンゴン市内でも稀に見られるが、地方、特に農村が多発地帯である。ミャンマーでの有毒蛇咬傷の90%近くはRussell’s Viperによるもので、受傷部位の80%以上が下腿下部であることは対策を考える上で重要。死亡率は10%前後で、年間2000人が死亡している。(1991年)

⑬ウイルス性肝炎:A型肝炎はごく有りふれた疾患であり、抗体陰性の成人ではワクチン接種は必須。(通常、ミャンマー人の間では抗体保有率が高いため、A型肝炎は殆ど問題にならない。)
B型肝炎のキャリアーは10%以上と推定されている。
C型肝炎キャリアーは多数存在していると推察されるが、通常の医療機関では検査は不可能。
E型肝炎は存在するが、当地での確定診断は不可能。

⑰デング出血熱:デング熱、デング出血熱についての当地診断は信頼性に欠けるため、正確な状況は不明。3~4年毎に流行年があり、少なくともヤンゴン在住の邦人にとってはマラリア以上に危険な病気。

⑱狂犬病:保健省資料によると人口10万あたり6件と推定しているが、正確なところは不明と言わざるを得ない。ヤンゴン総合病院では、1996年の1年間で19人が狂犬病のために死亡している。犬の予防接種も経済的理由から不十分(特に低所得者の居住地域)なので、たとえ飼い犬であっても信用できない。

⑲Worm Infection:蛔虫が圧倒的に多く、鞭虫や蟯虫が続く。邦人の間でもしばしば発生する。
この他、34位に腸チフスがあげられている。アメーバ赤痢などと比較すれば格段に発生頻度は少ない印象。しかし、当地の細菌培養の検査体制が不備なため、腸チフスが疑わしい患者では非常に苦慮することになる。
また、整備不良車が無秩序に走り回っているヤンゴンの街を見ていると、邦人にとって交通事故の危険性は、重要疾患リストの各疾病よりも上位に位置するのではないかとも思う。

【対策となる予防接種】

ワクチン品質の信頼性、保管状況、使用器具への懸念、副作用発生時の対応や保障の問題等を考慮すれば、原則的に日本で接種が望ましい。

①幼児、小児に勧める予防接種
基本的に日本と同様に考えてよい。三種混合、BCG、ポリオ、麻疹等は必須。(ポリオについては、日本で通常行われている2回接種では不十分。少なくとも3回の接種を勧める。)乳幼児の場合にはB型肝炎ワクチンも接種しておいた方がよい。上述したように狂犬病が常在するのでワクチン接種を勧めているが、邦人の接種率はあまり芳しくない。車での移動が多く、野犬に遭遇する機会が少ないため、危険性をあまり身近に感じていないのがその一因と推察している。
日本脳炎については少し説明が必要である。日本では当然の如くミャンマーは日本脳炎の汚染地域とみなされているが、タイとの国境地帯を中心に不顕性感染例の報告はあるものの、1979年以降日本脳炎患者は報告されていない。当地の小児科医もこの病気に関しては殆ど無関心であり、1989年以後は、当国の重要疾患リストからも削除されたままである。ワクチンを接種しておくに越したことはないが、ヤンゴンの生活に限ればその必要性は低い。

②成人に勧める予防接種
A型肝炎ワクチンは絶対。破傷風も最低限必要。職業柄フィールドへ出かけることの多い人には狂犬病。

③当地の医療機関で可能な予防接種
乳幼児を対象とした三種混合その他は小児病院でも接種可能だが、日本人は主として私立のクリニックを利用する。この他、バンコックやシンガポールで接種する人も多い。
当地のクリニックで、日本脳炎も含めて上述したワクチン全てが接種可能。この他に、MMR、腸チフス(注射)、コレラ、黄熱などのワクチンも常備している。

以上、ミャンマーの医療について、近年、医療環境は急速に変貌しています。
長期滞在、赴任者は、常に注意を払い、医師の相談の上、指示を受けることをおすすめします。

6.ミャンマーの医療は変わりつつある

世界の長寿国一番の日本にとって、ミャンマーの平均寿命66歳はかなり低い。

やはり、その要因の一つが、医療環境の未整備が挙げられています。現地の国内の医療施設は、衛生面や設備などに問題を抱え、富裕層を中心に毎年約10万人がタイやシンガポールなどの近隣国の病院を利用している。
そうした中でも、国内の、医療市場が毎年およそ20%も拡大を図りつつあります。しかし、ミャンマーの人口1万人当たりの医師数は、5.4人、癌や心臓病などの治療が行える専門医の育成も十分ではなく、課題となるでしょう。

今後は、ミャンマー国内でも、定期的な健康診断を受けることが必要。
現在は、重症化するまで医療機関を受診せず、病気の発見が遅れて命を落とすというケースも多く、現地では高度な医療を受けたいというニーズが高まっています。

日系法人がヤンゴン中心部に、日本人の医師・看護師が常駐する外来診療クリニック、内視鏡など日本の医療機器を使用する健康診断センターを兼ねた医療施設を開設する予定。
また、三菱商事は、現地の病院と病院運営会社を設立し、2020年の開業を目指してヤンゴンに300床規模の総合病院を建設することを発表。

質の高い日本の医療サービスを提供によりミャンマーの医療が変わりつつあります。

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